天使の知恵と悪魔のささやき
顕在意識でしか働かず、積極的に探しにいかないと得ることはできない先人のノウハウともいえる「天使の知恵」。
潜在意識にインプットされる宣伝や感情、そして子供の頃から刷り込まれる「悪魔のささやき」。
どちらも、私たちの普段の判断や行動にたくさん影響しています。
身の回りの「天使の知恵」と「悪魔のささやき」を少しずつ集め、ブログにしています。
「天使の知恵」と「悪魔のささやき」を知って、心を軽くしましょう。
台風24号
日本列島を台風24号が通過しました。
スピードは早いものの、九州に近づいたときは、中心の気圧は950haでかなり強い台風でした。
NHKは九州、四国、西日本の様子を繰り返し放映し、暴風雨の恐ろしさを伝えておりました。私の関東エリアも夜中に暴風雨が吹き荒れました。
災害が起こるたびに思い起こすのは「正常性バイアス」です。
私は正常性バイアスも悪魔のささやきの一種ではと考えています。
災害に見舞われた時、人間は「正常性バイアス」のおかげで、なんとか生き残ることもできますが、逆に、死ぬこともあります。
死ぬ場合は悪魔に「お前は大丈夫」とささやかれ、死へ導かれるのです。
では、正常性バイアスって一体何でしょう?
正常性バイアスとは
正常性バイアスとは、心理学の用語です。
人間の心は大災害にあったときなどでも、パニックに陥らず、正常心を保つようにできている仕組みのことです。ある種の鈍感力とも言えます。
しかし、この正常性バイアスですが、必ずしも本人にとっていい方向に働くとは限らないようです。
まさに悪魔のささやきのようです。
悪魔は「落ち着くように」ささやいてあなたを死に誘導するのです。
2003年の韓国大邱市で起こった地下鉄火災。地下鉄火災にも関わらず、口や鼻をハンカチでおさえながら、席に座っていて動かず、犠牲になった人がたくさんいるそうです。犠牲者には「大丈夫だ、落ち着け」という心理が働いたようです。
2011年の東日本大震災の時も、「津波が来るので避難してください」という放送がかなりの自治体で放送されたそうです。しかし、「堤防もあるし、そんなことはない」と動こうとせず、結局は津波の被害にあった人が多数いるとのことです。
2014年の御嶽山の大噴火の時もそうです。
火山が噴火しているにも関わらず、カメラで噴火の様子を写真とったりしていてり、犠牲になった人が多数いるそうです。これも、火山が噴火しているが、大したことないだろう、落ち着いて避難すれば良い、という心理が働いたようです。
今年、2018年の西日本豪雨の際も、200人以上の方が亡くなっています。避難勧告が出ているにも関わらず、とどまって、犠牲になった人の話を聞きました。
私も正常性バイアスを経験した
私も職場の工場で2011年に東日本大震災の被害にありました。
地震があった時、従業員は全員外へ避難したのですが、全員建物から整々と外へ避難しました。
パニックに陥っている人は一人もいませんでした。
グランドに集合した時は、かなり大きな余震が続いており、建物や設備が壊れたりするのを外から目撃しました。
しかし、みんなが心配していたのはその時の寒さでした。
急な避難だったので、上着を持参していないで避難した人が多数いました。3月初旬はまだまだ寒く、地震被害よりも、早く暖かいところへ戻りたいという気持ちで一杯でした。
自分も同でした。
これから自分の会社がこれからどうなるのだろうか、こんな被害にあったのだから倒産するのではないか、自宅マンションが崩壊しているのでは、などという大きな心配は不思議なことにほとんどありませんでした。
それよりも、夜の防寒をどうしようか?、家族とどうおち合おうか?、今夜は何を食べられるか?などという今夜の心配ばかりをしていました。
今から思い返すと正常性バイアスが働いていたのかもしれません。
「お前は大丈夫」のメカニズム
命に関わる重大なことが自分の身に起こっても、悪魔が心へ「お前は大丈夫だ」とささやくのではないでしょうか。
そして、人間は悪魔のそのささやきに乗って、小さな心配ごとへ思考が行くのです。
防災システム研究所の山村武彦所長の話です。
「人間は都合のいい生き物です。物事を都合のいいほうへ、楽なほうへ考える。何か行動を起こすには、労力が必要だし、面倒臭い。頭では『避難したほうがいい』と思っていても、避難しないほうが楽です。つまり、安全だと思っているから逃げないのではなく、逃げるのが面倒だから逃げない。だから、逃げなくても済むように、『自分だけは大丈夫だろう』といった思い込みを勝手に積み上げて、自分で『安全だ』ということにしているんです」
なんて都合のいいメカニズムなのでしょうか。
日ごろ、様々なことで悩み、苦しんで生活しているのに。いざ命の危険にさらされている時にこそ楽観的に考えてしまう。
これが人間のが心理です。
このブログを書いていて、改めて、人間の心理の不思議を感じます。
やや悲観的に心配する
人間の心理は不思議なものです。
- 普段はちょっと悲観的(小さな心配ごとで将来を不安に思う)
- 命の危険にさらされると楽観的(何があっても大丈夫と思う)
ですから、普段の小さな心配ごとであまり悲観的になる必要はありません。
そして命の危険にさらされた時は「悪魔のささやき」を思い出し、やや悲観的に心配しましょう。
ちょっとやばいと思ったらさっさと逃げましょう。
「悪魔のささやき」は何かを知って、もっと楽に、豊かな人生を送りましょう。
「道は開ける」は「天使の知恵」がいっぱい詰まっている良書です。
私は、紙書籍、Kindle、オーディオブックを持っています。
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